基本的な流れは以下の通りです。各ステップを丁寧に行うことが、美しい仕上がりへの近道です!焦らずじっくり取り組みましょう。
1. 下準備:ツルツルに磨こう
塗る木材の表面をサンドペーパーで研磨し、滑らかにします。最初は粗い番手(例:#240)から始め、徐々に細かい番手(例:#400~#600)に変えていくと、よりきれいな仕上がりになります。研磨後は、木くずやホコリを固く絞った濡れ布巾やタッククロスで丁寧に拭き取ってください。必要であれば、作業台にクランプなどで塗装する物を固定すると作業しやすくなります。
2. 塗料の準備:塗りやすい硬さに調整
カシュー塗料を少量パレットや使い捨ての容器などに出し、専用のうすめ液(カシューうすめ液など)で適切な濃度に薄めます。うすめ液の量は塗料の種類や気温、湿度によって変わりますが、初心者の方はまず塗料に対して10~20%程度のうすめ液を少しずつ加え、よくかき混ぜながらハケで垂らしてみて、スーッと糸を引くくらいを目安に調整しましょう。よく混ぜたら、使う分だけを用意し、残りの塗料缶はしっかりフタを密閉しておきます。透明なパレットやガラス板の上で混ぜると、色の濃さや混ざり具合が分かりやすいです。
3. 塗装:薄く、均一に
刷毛(はけ)やスプレーガンを使って塗ります。作業場所は、必ず換気を十分に行い、保護メガネ、マスク、ビニール手袋を着用してください。刷毛で塗る場合は、毛先によく塗料を含ませ、余分な塗料を容器の縁でしごいてから、木目に沿ってできるだけ一方向に、均一な厚さになるように塗るのがコツです。一度に厚く塗ろうとせず、薄く塗り重ねる方がムラになりにくく、きれいに仕上がります。
4. 乾燥:ホコリを避けてじっくりと
塗装した作品は、ホコリなどが付かないように注意しながら、風通しの良い日陰で自然乾燥させます。カシュー塗料は温度が低い(特に5℃以下)と乾燥に非常に時間がかかります。通常は20℃前後で数時間~1日程度で指触乾燥(触っても指紋がつかない程度)しますが、完全に硬化するには数日かかることもあります。乾燥時間は塗料の種類や塗り厚、環境によって変わるので、説明書をよく確認しましょう。
5. 塗り重ねと研ぎ:深みを出すために
塗料が十分に乾燥したら、必要に応じて耐水性のサンドペーパー(#800~#1000程度)で表面を軽く研磨します(「水研ぎ」または「空研ぎ」)。この時に塗りムラや小さなホコリの付着などを確認し、平滑にします。研磨後は、削りカスをきれいに拭き取ってから、再び塗装を重ねます。この「薄く塗っては研ぎ、また塗る」という作業を2~3回以上繰り返すことで、塗膜が厚くなり、深みのある美しい仕上がりに近づきます。
6. 磨き(仕上げ):ピカピカに!
最後の塗り重ねが完全に乾燥した後、さらに美しい光沢を出したい場合は、より目の細かい耐水サンドペーパー(#1500~#2000程度)で水研ぎし、その後、研磨剤(コンパウンドの細目~極細目など)や、金属磨き剤のピカールなどを少量つけた柔らかい布(ネル布など)で丁寧に磨き上げます。力を入れすぎず、優しく磨くのがポイントです。
7. 後片付け:火の元に注意! (最重要!)
使用した刷毛やパレットなどは、塗料が乾く前に専用のうすめ液(カシューうすめ液など)でよく洗い、新聞紙などで拭き取ります。カシュー塗料が付いた布(ウエス)、新聞紙、研磨カスなどは、そのままゴミ箱に捨てると自然発火して火事になる危険性が非常に高いです。必ず、たっぷりの水に完全に浸してから、空気を抜いてビニール袋に入れ、口をしっかり縛ってから、自治体の指示に従って速やかに燃えるゴミとして処分してください。ポリ袋に入れたまま長時間放置したり、屋外にそのまま捨てるのは絶対にやめましょう。